中央区・茅場町「太平山酒蔵 茅場町店」

中央区
【所在地】東京都中央区日本橋茅場町3-7-1
【営業時間】月~土、祝前日17:00~23:00

茅場町駅を出てすぐの路地裏、以前紹介した田酔さんの並びにあるのがこちらのお店。田酔さんが白木の映える明るい門構えなのに対し、こちらは黄色基調の看板に赤提灯と、思いっきり昭和の風情を残したザ・居酒屋といった趣きだ。中に入ると囲炉裏風のカウンター席とテーブル、奥にも調理場に面したカウンターとテーブルがあり、外から想像するよりも縦に広い。この日は手前の囲炉裏風カウンターの席に案内された。こんな店では「お酒、あったかいので」なんて気取ってみたくなるが、ぶれずにホッピーを注文する。

奥のメニューにもあるように、こちらは明治創業の秋田の小玉醸造「太平山」が店名になっており、また種類も豊富に置いてある。調べたところ、同じ名前の居酒屋が四谷や日暮里にもあるようなのだが、小玉醸造による直営店なのかどうかは分からなかった。所狭しと張られた短冊メニューに囲まれ、年季の入ったカウンターに肘をつけば、もはや気分は演歌の主人公である。ナカをお代わりする。

メニューには煮込みやハムカツといった定番に加え、比内地鶏の焼き鳥やきりたんぽ鍋、じゅんさいなど秋田らしい一品もある。いずれも店内で手作りしているとのことで、どこかほっとする味だ。そんな中で、ぜひお薦めしたいのが「太平豆腐」。

浅い土鍋にぐつぐつ煮え立った状態で供されるこちらは、豆腐、鶏肉、エノキ、ネギを出汁で煮て卵とじにした料理。アクセントに胡麻油がかかっていて、これがつまみとしてのレベルを格段に上げている。ホッピーにももちろん合うが、ここはぜひ日本酒と合わせてみたい。

きっと昭和の高度成長期、茅場町界隈の猛烈サラリーマンたちがこんな店で仕事の疲れを癒やしていたのだろう。平成も終わろうとする今、太平豆腐のうまさはどっこい健在である。

ホッピーDATA

  • 価格: セット450円、ナカ280円
  • グラス: 黒ラベルロゴ入りジョッキ、常温
  • 氷: 製氷機
  • 焼酎の銘柄: 不明
  • 硬さ: 普通
  • ナカ: 同じジョッキに氷と焼酎を追加
  • マドラー: あり。プラスチック製

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